暮らしなもん

衣・食・住で日々出会う品々とのおつきあい帳

ウチ流の引越し荷造り戦略【3】デスクトップPCの梱包【ハードディスク編】

毎度のことながら、引越しの荷造りで一番気を遣うというか一種独特の緊張感を覚えるのは、デスクトップパソコンの梱包に取り組むときです。

 

母のパソコン。右はFAX電話機とホームプラス電話専用アダプタ

 

同じワレモノ扱いでも食器の箱詰めの方がはるかに気が楽だし、壁のコンセントから電源を取るという点では何ら変わらないはずの他の家電、例えば掃除機とか電子レンジとか冷蔵庫なんかは、少しくらいどこかにぶつけたり傾けたり揺らしたりしてもほとんど影響がないので特に心配することはありません。

 

ところがパソコンという、ふだん丁寧に扱っていてもびたび原因不明のエラーを起こして使い物にならなくなることもあるほど繊細で脆いデジタルデータの格納庫に対しては、引越しという大移動を前にするとついハレモノに触るかのように身構えてしまいます。

 

 

梱包は、基本的に自分たちで

パソコン本体の包み方

このようなデリケートで扱いの難しい機器は、それこそ引越しの際はプロに任せるのが一番なのかも知れません。しかし、移動中の物理的な損傷だけでなく万に一つの防犯上のリスクを思うと、せめてハードディスクだけでもその梱包や運び出しは業者に委ねず、自分たちで細心の注意を払いながら行うほうがかえって安心・・・というのが、引越しの荷物にパソコンが加わったおよそ20年前から今も変わらぬ我が家の考え方なのであります。

 

実際、10回目を数える今回の引越しでも、見積もりに訪れた営業マンからパソコンについて話題が及んだとき
お引越し当日までに必ずデータのバックアップをお願いしますねー」と念を押されました。

 

聞きようによっては『この大移動の間にウチの作業員がぶつけるか落とすかしてデータが壊れてしまっても私共は・・・』云々といった、当のパソコンの所有者としてはまさに背筋の凍るような事態への警告との解釈もできます。こういう言葉を聞くと、やはりモニタやキーボード類はともかくハードディスクの運搬は是が非でも己が手でやり遂げねば・・・との決意がいよいよ固くなります。

 

まあもとよりそのつもりではあったので、営業マンに対しては、これまでの引越しでもパソコン本体だけは自分たちで持ち運ぶようにして来た旨を告げると、大きくうなずきながら

・・・そうして頂けると助かります!」と安堵の表情を浮かべました。

やはりプロの引越し屋さんでも精密機器を運ぶのは気が重いというのが正直なところのようです。


だからといってその分引越し料金を値引きますなどという申し出は一切聞かれませんでしたが、まあそれはそれで構わないとして、問題は新旧合わせて数台あるパソコン本体をいかにして自分たちで持ち出すかであります。

 

それぞれの購入時に付いて来た外箱や緩衝材はほぼ全部捨てずに取ってありますから、それらに詰め直して運ぶのが得策なのでしょうが、古い時代に買ったパソコンほどハード本体は大きくて重たいし、外箱もかさばります。

 

旧居から新居まではセダンタイプのマイカーで移動するのですが、貴重品など最小限の手荷物と一緒に外に持ち出し新居まで運ぼうとするのは、トランクのスペースから見てもちょっと無理があります。

 

こういう場合は、あえて外箱は使わずその中に入っていた発泡スチロールの保護材だけでハード本体を挟み、さらにその周りを何層ものプチプチやウレタンシートでぐるぐる巻きにしたうえで、安全かつスムーズに運べるよう丈夫な麻ひもなどで持ち手を作るしかありません。

 

そのようにしていつもながらの自己流でなんとかまとめた荷姿がこちら。

パソコン本体のぐるぐる巻き状態2例

 

数年前に購入したWin7機(写真左上)は細身で軽めなので片手でぶらさげて持ってもOKなのですが、それよりずっと古参の98マシン(写真右下)となると幅も奥行きも場所を取る上に両腕でどっこいしょと抱えねばならぬほど重量があり、慎重に扱う必要があるので梱包にも神経を使いました。

 

そのため、Win7機の持ち手には普通の太さの麻紐だけで充分でしたが、98マシンにはそれに加えて、昔から我が家にあるバックル付きの丈夫な紙製の結束ベルトを組み合わせることにしました。

 

退去時に割とかさばる「最小限の手荷物」

ところで引越し当日、最小限の手荷物と一緒にこれらのハード本体の包みを持ち出すわけですが、この手荷物というのが小ぶりのバッグひとつかふたつで足りるかと思えば、実際は財布や手帳、新居の鍵などといった小物だけでは済まないことが多いものです。

 

荷物の搬出が済んだ後の床掃除に使う掃除機や雑巾・バケツ・エプロン・スリッパのたぐい、新居での昼食・夕食用に準備した家族分のお弁当や缶飲料などなど、退去直前まで手元に置いておかねばならないものは意外とたくさんあります。

 

さらに今回の引越しでは、携帯電話を持たない我が家の外部との連絡手段であるFAX電話機とホームプラス電話専用のアダプタも最後まで使う必要があったため、パソコン本体と併せてすべて運び出すまでに居室と共用玄関の間を何度も往復しなければなりませんでした。 エレベーターがあっても息切れを覚えるほどだったのに、階段だけの建物ならもっと大変だったろうと思います。(つづく)