暮らしなもん

衣・食・住で日々出会う品々とのおつきあい帳

引越し直後の通線確認、そして光回線開通までの長い道のり

 新居への大移動、旧居での立会い、市役所での手続きなどでバタバタする中、光ケーブルインターネットの「通線確認」の当日を迎えました。

 

引越し直後の通線確認

約束の時刻よりちょっと遅れて、ケーブル会社代理店付の工事担当のお兄さん2名が来訪。一人は屋内で電話線のある壁付近をチェック、もう一人は玄関の外で待機・・・という態勢のようでした。

 

先ず、屋内チェック係のお兄さんが壁のモジュラーコンセントのフタを取り外し、しばし中を覗き込んだ後

「ここには配管ナシ!」と一言。

 

 

『・・・あちゃー、ナシと言うことはやっぱり・・・』と悲観的観測に怯えながら見守る素人をよそに、お兄さんの視線はその真上の壁から天井へ。その先には梁を伝って天井裏へと抜ける古びた電話線と丸いフタがありました。

 

それを見つけるや否や、手持ちの小さな脚立に上ってフタを取り外し、中を覗いたり電話線を引っ張ってみたりとごそごそしているうちに

 

「あーここ配管来てるわ!」と一言。

 

『え? 光ケーブルが通るような管ってそんなところにあったの?』と目が点になっている素人を尻目に、玄関の外で待機しているもう一人のお兄さんとワイヤレスイヤホンマイクであーでもないこーでもないと専門用語の混じる会話を続けていたと思ったら、やがて天井裏から、白くてハリのある極細のコードがするするーっと降りてくるのが見えました。

 

そこに元からあった、被覆の色あせやヨレも目につく電話線とは明らかに違う素材・・・実はこれこそ、まさに光回線用のケーブルそのものだった、という事実に気がつくまで少し時間がかかりました。

 

通線確認って、線が通るか通せないかを判断するための下調べだけで終わるものと勝手に思っていたのですが、白いケーブルが天井裏から降りて来たこの瞬間、

『線は通った』・・・すなわち、

『新居での光回線接続は可能である』ことがはっきりした訳であります。

 

初めに移転手続を申し込んでからおよそ一か月もの間、やれ古い建物だから通るか通らないか分からないとか、最悪解約になるかも知れないなどとさんざん言われ続けてきたせいか、これほど目の前であっさり開通が実現するとは思いもよらず、まだ半分くらいは信じられないような複雑な気持ちのまま、静かに成り行きを見守っておりました。

 

白い線はその後、パソコンを使う部屋まで届く距離よりかなり長めに引き込まれたのち、端から端までらせん状の保護チューブが巻きつけられた上で、壁面や引き戸の枠に沿って順々にクリップ留めされ、余った分はくるくるまとめて束ねられて部屋の隅っこに置かれ・・・と、ここまでで今回のお兄さん方の任務は終了。

 

渡された「宅内工事指示書」なるものにサインすると、あとは営業の人と宅内工事の日程を決めて下さいねーと言い残して、お兄さん方は帰っていきました。

  

宅内工事の日が来るまで

こうして新居での光回線接続の実現まであと一歩というところには至ったものの、引越し直後でどの部屋も荷物の詰まった段ボール箱であふれ、机の位置も定まっていない有様。パソコン類の開梱もままなりません。

 

当面の間は、新居での衣食で真っ先に必要になる食材とか食器、洗面・バス用品、下着・タオル・カーテンといったたぐいの布雑貨を、うず高く積み上げられた箱の山から見つけ出して引っ張り出してくるという宝探しのような労働に明け暮れていました。

 

そんな中、ケーブルインターネット工事代理店の窓口のお姉さんから宅内工事の日取りについての電話が。

 

こちらはまだ家の中が片付かずパソコンの置き場所さえメドが立っていない中、いつに決めればいいものやらと思い巡らしている間に、お姉さんが申し訳なさそうな声音で

 

「現在引越しシーズンで工事の予約が込み合っていまして、早くても2週間先になってしまうんですが・・・。」との説明。

 

・・・まあ直ぐには応じられないにしても、そんなに先のことになろうとは思っていなかったのでちょっとがっかりはしましたが、最も恐れていた解約の心配は無くなって、旧居と同じ通信速度と料金のコースのまま使えることがはっきりしたし、メールやホームページのアドレスも失わずに済んだし、一連の工事費用もタダで済んだわけですから、こちらとしてはそれだけでも御の字です。

 

工事をお願いしたい時間帯や立ち会える家族の都合も踏まえて、結局お姉さんが「空きがある」と示した日からさらに数日後とすることで落ち着きました。

 

2週間のオフライン生活

宅内工事の予定日までおよそ2週間。パソコンやネット環境から隔絶されたかのような長い時間ではあったものの、仕事が繁忙期になかったことも幸いして、そのぶん新居のあちこちの掃除や荷物の開梱や家具の移動に専念することができました。

 

テレビも新聞もスマホも無いので、天気やニュースなど最低限必要な情報はもっぱらラジオから得ることに。相変わらず地味なメディアではありますがやはり便利なものです。・・・何年ぶりかで聴いた「ひるのいこい」のテーマ曲なんか実にしみじみと懐かしく感じられました。

 

少しずつ家の中が片付くにつれ、仕事部屋での机の配置もようやく定まり、パソコンと周辺機器も箱から出してセッティング。ネット接続が無いままでの作業も再開できるまでになりました。

 

そうして迎えた「宅内工事」の当日。

 

来訪したのは先に通線確認で訪れた二人のうちの一人でした。先にまとめてあった光ファイバー線の束を解いて、持参した新しいモデムとパソコンを接続。モニターで各種設定画面を開いたり閉じたり、大手ポータルサイトや動画サイトなどが見られるか確認したり、通信測度をチェックしたり、その一つひとつをスマートフォンのカメラで撮影するなどして、「工事」というよりは終始「接続設定」の表現のほうが相応しいように見える作業は1時間ほどで完了

 

初めて見る光回線用のモデムの表示や使い方などについて説明を受けた後、「作業報告書」にサイン。旧居で使っていた同軸ケーブル用のモデムと一緒にお兄さんは退出しました。

 

こうして、我が家のケーブルインターネットに拘る一連の移転手続きは終局を迎えたわけであります。

 

まとめと教訓

 今回の引越しに伴うネット環境の移転では、私自身が光回線の導入が初めてであったことももちろんありますが、不動産屋さんとケーブルインターネット会社との認識の違い、代理店の窓口とその上司、現場の工事担当者の間で、状況の把握内容や説明の文言に微妙なズレがあったりしたことでハラハラ&ヤキモキの連続でした。

 

でもすべてが終わった今では、いろんなことを勉強できていい機会になったと思っています。

 

今回の私たちの体験で得た教訓(賃貸建物の場合)としては、

  1. 光回線の移転手続きってタイヘン(・・・特に引越先が未対応の賃貸物件の場合は・・・)。手続書面の作成は対面で行わなければならないし、通線確認や屋内工事などには必ず立会いが求められるし、ボールペンの先ほどの穴を開ける開けないで家主側に許可を得なければならない等々、気を遣うこと多し。
  2. 「工事」は建物の共用部分に始まり、通線確認、宅内工事と3段階のプロセスを経てようやく開通に至る。工事担当者のスケジュールの都合や天候などによってはそれらの日程が先延ばしになり、自分が予定していた以上に長く待たされることも。

 

だから、気の早い話ですが今度引っ越すときは必ず・・・

  1. 移転先の建物のネット環境については、入居申込みや契約前の早い段階で問い合わせて確認したり、チラシなどの表記に間違いが無いか念を押しておく!
  2. 光回線でなくWifiにする!
  3. 住まいやプロバイダが変わってもそのまま使えるメールアドレスやホームページスペースを確保しておく!

 

などと密かに心に決めております。もっともその頃にはまた通信技術の進歩によって選択肢が変わってくることもあるでしょうけど・・・。

  

ただ・・・今回の私たちの住まい選びに関して言えば、もし初めから光回線未対応の物件と分かっていたらどうしたろうか、とふと考えます。

『間取りとか家賃とか、買い物の便利さなんかは文句ないんだけどなー』

などと惜しみつつも、割とあっさり諦めて他を探すことを急いだかも知れません。

 

実際、住まい探しの過程で第一・第二志望に上っていた物件は、既に何年も前からネット環境がしっかり整っていたところばかりでした。

 

うっかり未対応の建物と知らず入ることを決めたばっかりに、一連の移転手続きは文字通り一筋縄では行かず、本当にタイヘンでした。でも、なんだかんだで結局ここにこうして落ち着いたということは、それだけこの住まいが私たちにとっては他より縁が深い場所だったのかも・・・なんてことをつらつら思っている今日この頃です。