暮らしなもん

衣・食・住で日々出会う品々とのおつきあい帳

掃除機の買い替えで重視した「紙パック式」の選択と「ヘッドの上げ下ろしの音」

このたび住まいのダウンサイジングを目指して通算10回目の引越しを果たした我が家。節約のため余分な物は買わないつもりではありましたが、それでもこの機会にコレだけは新しくしたい!とウチの母が切望していた品がいくつかあります。

 

その一つが、今回の記事のテーマとなっている『紙パック式掃除機』。

 

前より広い家に住み替えたのならともかく、家賃も間取りもぐっとコンパクトな住まいにしたのに掃除機の買い替えなんて必要ないんじゃないの?なんて思われるかも知れません。

 

でも、ウチの母にしてみれば『ソレとコレとは別!』と断言してはばからないくらい、この手の掃除機を求めずにいられなかったのにはそれなりの事情があったのであります・・・。

 

我が家の掃除機の移り変わり

ここで先ず、我が家で使ってきたお掃除マシンの種類について簡単にご紹介したいと思います。

 

【70年代~80年代】 紙パック式以前の赤い掃除機(東芝製)

→ ごみが溜まるスペースの手前に柔らかなゴム製の蓋が付いているクラシックな仕様。お手入れのたびに水洗いしては日向に干して乾かしていたのを思い出します。

 

【80年代~90年代】 初めての紙パック式(ナショナル [現パナソニック])のキャニスターシリーズ

→ 手元操作やゴミセンサーなどの機能が当時斬新でした。パイプと本体の継ぎ目が傷んで異音が酷くなってきたため買い替えを検討。

 

【2003年】 大手ショッピングモールの家電売場で特価品になっていたサイクロン式掃除機(東芝製) 

→ それまでのキャニスター掃除機が傷んできたので代替品を探していた頃、現品限りのお値打ち品として一万数千円程度でのお値打ち品として店頭に置かれていたものを母が即決購入。

 

【2004年】 お手軽自走式クリーナー「ロボモップ」をテレビショッピング経由で購入

 → お掃除ロボ「ルンバ」が世を賑わして間もないころ、乾電池駆動でランダムな方向に転がるボールとドーナツ型不織布でフローリング床の拭き掃除をするという低価格の簡易ロボットをTVショッピングで見つけて購入。掃除機掛けの手間や時間はある程度省けましたが、不調に陥ることが多く何度か交換を繰り返すことに。

 

【2005年】 某電話会社のポイント交換賞品として入手した、サイクロン式のスタンド型掃除機(ツインバード製) 

→ スリムな一体型で便利なはずですが、どういうわけか我が家ではあまり使う機会がなく数か月でリサイクルショップに処分。

 

【2007年】 テレビショッピングを通じて購入したハンディタイプの格安2WAYスティッククリーナー(ノーブランド)

→ 一応サイクロン式。手ごろな価格で小回りが利いたけどいつまでも本体樹脂のニオイが酷く、造りも粗く・・・コードの付け根から傷みが生じ長持ちしませんでした。

 

【2012年】 サイクロン式掃除機(アイリスオーヤマ製)。

→ 一万円を切るお値打ち価格でデザインもなかなか。ただしダストカップまわりのお手入れがしにくいつくりや、パイプ&ヘッドの連結部分が差し込み式などスペックに不満あり。

 

サイクロン式から紙パック式への回帰

こうして振り返ってみると、家電については決して高級志向とは言えない我が家も、時代の流れに沿って結構いろんなスタイルの掃除機を試してきたことが分かります。

 

とくに2000年代以降に求めた掃除機はほとんどサイクロン式。紙パックが要らないという節約派の心に響く売り文句と、らせん状の気流が叶えるパワフルな吸引力という斬新なアピールに惹かれたところが大きかったように思います。

  

我が家で長らくお世話になったサイクロン掃除機のひとつ

 

ただ・・・実際に使ってみてどうだったでしょうか。ウチの母にとってはどれも期待したほど吸引力や使い勝手が良くなかった上に、サイクロン式ならではのゴミ捨ての仕組み・・・すなわち、その長所であり売り文句であるはずの

紙パックは要らない、ダストカップを開けるだけ!」の構造がもたらす、

カップを開ける際にチリ・ホコリが舞い上がりやすく、手も汚れやすい

すぐにカップが一杯になって、マシン自体の掃除に手間ひまがかかる」という予想外のデメリットに閉口させられておりました。

 

しだいに母の関心は、ゴミ捨てが楽な紙パック式へと向かうようになり、

今度買う掃除機は、ぜったい紙パック式!

というフレーズが口癖になるまでに。・・・それでも手元のサイクロン式がまだ使えるうちはと、新たに買い求めるのを控えてきました。

 

しかし最近ではいよいよダストカップの出し入れのために開け閉めする部分が壊れるなどして、これ以上だましだまし使える状態ではなくなったことから、引越しを機に買い替えを決意。

 

かくしてネットで品定めの使命を課された筆者は、母から提示された以下のような条件をもとに、パソコン上で昨今売れ筋の紙パック式掃除機の主な仕様やレビューの数々を研究することとなりました。

  1. 予算は一万円前後。高くても15,000円未満
  2. 自走式などの余分な機能は要らない。シンプルでいいから小回りが利いて使いやすいもの

 とまあここまでは、節約志向の家電選びにおいてごく普通に見られる要望だとは思いますが、ウチの母の場合、これらにまして"譲れない"、3番目のポイントとして以下のような条件が加わります。

 

ヘッドの「かちゃ」・「がちゃ」がないこと

これはどういうことか、まず簡単な図で説明してみますと、こうなります。

 

掃除機のヘッドの上げ下ろしの動作で気になる音の解説

紙パック式であれサイクロン式であれ、たいていの掃除機のヘッドというのは、家具の下や壁とのすき間などいろんなスペースに入りこめるよう、上下左右に或る程度の可動域が設けられているものです。

  

ただ、特に上下方向においてその角度なり振り幅なり遊びなりが広いと・・・

掃除の途中でいったんヘッドを持ち上げ、再び床上に下ろしたときに、硬めの樹脂素材が放つ「カチャ!」とか「がちゃ!」とかいう音がする

こういうのをウチの母は気にするタチなのであります。

  

今まで使ってきた掃除機(記事冒頭の写真参照)の場合、慎重にゆっくり床に置いたときでさえがっ...ちゃ...と音を立てがちなつくりのヘッドだったため、母は次第に使うのを避けるようになり、後にその代替品として別メーカーの小ぶりの掃除機(これもサイクロン式で結局はお手入れにしろ音にしろ様々な点で不満の多い一台となりましたが)を求めたほどでした。

 

掃除機のコマーシャルや広告ではよく、ほとんど何の障害物もない広くて平らな床の上でこんなにスイスイ軽く進めま~す、みたいな動作がアピールされます。

 

でも実際、家庭内の掃除機掛けというものは、その始めから終わりまでヘッドの底面を床にべったりくっつけたまま続けられるものではない、と思っています・・・とくに狭小住宅では。

 

敷居やコードカバーなどのちょっとした段差をまたいだり、方向転換したりするときなどヘッドを持ち上げなくてはならない機会というのはわりと多いように感じます。

 

ですからその上げ下ろしの際にいちいち「カチャ!」とか「ガチャ!」という音が出やすいつくりのヘッドが付いてる掃除機は、いかにお値段や吸込み仕事率やデザインが魅力的でも欲しくない、というのが母の意向の中で大きな位置を占めていた訳です。

  

情報集めと難航する品定め

近年、我が家と同じようにサイクロン式から紙パック式に戻るお宅が多くなっているようですが、それでも国内外どちらのメーカー品でもまだまだサイクロン式が主流で、紙パック式掃除機の選択肢はどちらかというと少ないように感じられます。逆に言えば低価格でシンプルなモデルならすぐ決まるかも・・・という期待はありました。 

 

しかし、価格が手ごろとか軽いとか使いやすいとか、ごく一般的な要望に、母の熱望する「かちゃ・がちゃの心配がないヘッド」という条件ひとつが加わったことで、ネット上での紙パック式掃除機選びは当初の予想を超えてかなり難航したわけであります。  

 

 3~4社ほどの家電メーカーから販売されている紙パック式の仕様やレビューを吟味しましたが、よく聞かれるのは「軽い」とか「使いやすい」とか「よかった」等々、掃除機全体に関する感想がほとんどで、こちらが一番知りたいヘッドの使い勝手について判断材料になりそうなコメントはほぽ皆無、と言っていいほど見当たりません。

  

オンラインショップでもメーカーサイトでも、その点に関する説明が乏しく、商品写真も1~2点、全体像やヘッドの裏側の拡大写真など簡単なものを載せてあるだけ。

 

実物を見に行けるような家電量販店も近くに無く、こうなるとできるだけ大きな写真が見られるショップ(アマゾンなど)で、自分たちの眼力を頼りに見極めていくしかありません。

 

結果、選んだモデルはコレ

一旦コレかな?と心惹かれた候補もよくよく検討した結果却下・・・ということを繰り返したのち、最終的にチョイスしたのはこちらのモデルとなりました。

後で気づいたことですが、紙パック式では定番人気のモデルのようです。

ちなみに三菱製の掃除機は我が家では初めてとなります。"Be-K(ビケイ)"なるシリーズ名の存在も今回初めて知りました。

 

収納時のスタイル
本体とパイプ&ヘッド

 

実は当初のお目当ては、数年前まで出回っていたシャープ製の紙パック式でした。当時レビューの評判も良く母のお目当てでもありましたが、現在は見当たらず。

 

なお、最後まで候補に残ったのは以下の2機種でした。

モーターの耐久性(特に日立製)とか価格の手ごろさ(特に東芝製)とか、それぞれに惹かれるポイントもいろいろありました。

 

ただ結果としてはヘッドまわりがあまり重そうでなく、シンプルなつくりに見えたことをはじめ、片手でも持ち運びがしやすい本体側の取っ手のつくりとか、全体的な扱いやすさについて各種レビュー評価も高めだった上記三菱製モデルに落ち着いたわけです。

 (つづく)