私的飴ランキング第1位は、名古屋の喫茶店ゆかりのコーヒーキャンディー
熱中症対策に塩分補給用のキャンディ類を口にするようになって以来、普通の飴も試すようになった筆者宅。前回の記事では、リピート買いするほどお気に入りになった全8品を私的ランキング形式にまとめてそのうち第8位から第2位までをご紹介しました:
今回は、いよいよ第1位の発表です!・・・と言っても、先の記事の終わりにヒントとして飴入れのアップ写真(上の過去記事のアイキャッチ画像と同じ)を載せておきましたので、カンのいい方はもうすでに「アレだ絶対、アレだアレ・・・」と、見当をつけておられることと思います。
そうです。そのアレこそが、ウチの飴ちゃんランキング第1位に輝いたコレなんです:
ふたつの老舗のコラボ商品
この品とのそもそもの出会いは、普段よく行く近所のスーパーの飴売り場。ある日、一角に設けられている新商品&セール品コーナーに、何やら見慣れない焦げ茶色の短冊形の枠に朱色の手書き風ロゴが映える、どこか昭和レトロな雰囲気のパッケージが山と積まれているのが目に止まりました。
多彩な顔ぶれのキャンデイ界の中でも、ありそうでないコーヒー風味。それも1種類だけでなく『コクの深いドリップコーヒー味』と、『まろやか風味のクリームコーヒー味』のふたつの味が楽しめるというお得感にも引かれ、ほとんど迷うことなく買い物カゴに投入したのであります。
家に帰って袋の説明をよく読んで見ると、「コメダ珈琲店」というのは独特の喫茶店文化で知られる名古屋生まれの老舗コーヒーチェーン店のことだそうで、この飴は缶入りドロップやいちごみるくなどの超ロングセラー商品でもおなじみの伝統ある飴専門メーカー「サクマ製菓」との共同開発から生まれた商品とのことです。
ちなみに筆者も名古屋生まれながら、この珈琲店の名前については全くの初対面でした。と言うのも、子供の頃はちょっと通りに出ればその道沿いにガソリンスタンドとほぼ同じくらいの割合で喫茶店が点在しているような賑やかな街に住んでいたのですが、外食嫌いの父の影響でそうした店に出入りする機会がほとんど無いまま成長し、やがて遠く九州の地に大移動。結果としてこの老舗の名前も知りそびれてしまったという訳です。
なお、コメダ珈琲店の公式サイトはこちらになります。外観や内装などをお店の雰囲気の紹介をはじめ、税別・税込みの単価もしっかり確認できるメニュー一覧ページや、お住まいのエリアやよく行く街にチェーン店がないか確かめたい時に便利な店舗検索ページなど、 見やすくて内容も充実のサイトです。
定番のコーヒーメニュー2種類を再現
そんなこんなで筆者にとっては実際に見たことも聞いたこともないお店ではありますが、言われてみれば確かに、外袋の表を飾るロゴやカップ&ソーサーの絵柄のそこかしこに、名古屋チックなセンスが感じられます。ほのかなノスタルジーを覚えつつその裏面を見てみると、2種類の飴のモデルとなった定番人気のコーヒーメニューに関する簡単な説明も載っています。
「秘伝のブレンド豆エキス」とか「珈琲店伝統の味」といった、さりげなく"本格派のコーヒー飴"をアピールする文言に彩られた定番メニューの「ブレンドコーヒー」に対して否応なく期待が高まる一方で、ジョッキ風の背高グラス入りアイスコーヒーに尖塔のようにそそり立つソフトクリームのトッピングが目を引く、いかにも名古屋グルメらしい大胆なスタイルの「クリームコーヒー」なるものの味が、キャンディとしてどのように再現されているのか、という点もかなり気になってきます。
大きめ「ブレンドコーヒー味」&小ぶりの「クリームコーヒー味」
さて、この2種類の飴はどちらも厚みのある楕円形。でも、大きさは同じではありません。下の写真の個包装から見てもお分かりかと思いますが、「ブレンドコーヒー味」に比べ「クリームコーヒー味」はやや小ぶりのつくりです。クリームコーヒー味は二重構造だから生産コストの都合かな?などと勝手に推測しています。それでも一般的なキャンディの中ではどちらも「大粒」に分類されるサイズではないかと個人的には思っています。
個包装の裏側にもひと工夫
個包装の裏側もちょっと凝っていて、「コメダのヒミツ」と題したミニクイズが付いています。実店舗でしか食べられない看板メニューなどがテーマになっており、お店の宣伝も兼ねているようですね。
広がる香り、濃厚な味わい
老舗珈琲店の名前を冠した品だけに、外袋や個包装のデザインに込められた気合いにも並々ならぬものが感じられます。では実際の味はどうかと最初に試してみたのが、定番のホットコーヒーを再現したという「ブレンドコーヒー味」。まず驚かされたのは、個包装を破った途端に辺りに広がる、芳しくも強いコーヒーの香りでした。
それまでにも他社製のコーヒーキャンディを幾種類か食べたことはありますが、これほどの本格的な香りを感じた品はなかったと思います。中には、口にすれば味はそれなりにするけどコーヒーらしいにおいはほとんど無く、黙って差し出されたら黒糖飴などの風味とほとんど区別できないくらいのコーヒー飴もあるくらいですから、やはりこのコメダ珈琲店のコーヒー飴の香りはホンモノ!と思いました。
もちろん味もパッケージの宣伝文句に違わず、濃厚で深い味わい。ブラックコーヒーではありませんが、苦味を抑えつつ甘くなりすぎない程度に砂糖を加えた、ミルク抜きのコーヒーのようなバランスの取れた味なので、甘い飴は苦手という方も楽しめる品ではないかと思っています。
ただし、開封時に広がるこの香りの強さゆえに、時と場面によっては食べるのが憚られることがあるかも知れません。自分の位置から少なくとも半径数メートル以内にいる他の人に気づかれることなく、こっそり食べようとするのはかなり難しいと思われますのでご注意を。
甘党も夢中になりそうな「クリームコーヒー味」
「ブレンドコーヒー味」も美味しいですが、もうひとつの「クリームコーヒー味」も負けていません。何と言っても「そびえたつソフトクリーム」をのせたパフェと見まごうばかりのアイスコーヒーを再現した飴とあって、ミルクやクリームをたっぷり投入した、甘めのコーヒーが好きな方には特にうれしい味ではないでしょうか。
実際に店舗で出されている「クリームコーヒー」の写真とのギャップが大きいですが、味はなるほどと思わせられます。確かに、ソフトクリームが乗っかったコーヒーを凝縮したような、香り高くクリーミーな味わいです。
半分に割ってみたところはこんな感じです。パッケージ上のイメージ画像とは若干印象が違いますが、濃厚なクリームの細かな層が幾重にも重なっているところはお分かりいただけると思います。
ここに来て、まさかのリニューアル?
・・・と、ここまでこのコメダ珈琲店キャンディーの魅力をお伝えしてきましたが、どうも最近、この商品に由々しき事態が生じていることに気づきました。
筆者がこの飴と出会ったのは今年2018年8月末ごろ。ところが9月の末に差し掛かったあたりから、アマゾンはじめオンラインショップで見るパッケージデザインが微妙に変わって来ているのです:
筆者宅のお気に入りとなったのは左上のデザインの袋に入ったタイプで、前述の通りコメダ珈琲店で定番人気のホットコーヒーメニューのひとつ「ブレンドコーヒー味」と、ソフトクリーム付きのアイスコーヒーを元に作られた「クリームコーヒー味」の2種類が入っています。
しかし、ここ1−2週間くらい前から各種ネットショッピングの検索画面で同じ商品名を入力すると、右上の袋のタイプも並んで表示されるようになりました。しかも、中身の飴もいつの間にか「ブレンドコーヒー味」と「ミルクコーヒー」のペアに。 ロゴの配置など基本的なレイアウトが同じせいかパッと見た感じは何も変わっていないかのようですが、よく見ると左右に添えられたコーヒーメニューの写真がそれまでとは微妙に異なっています。
つまり、旧来の袋に写っていたソフトクリーム付きのアイスコーヒーの写真が、新しくお目見えした袋ではブレンドコーヒーと同じようなカップ入りのホットコーヒーに置き換わっているのです。
これはいったい、どういうことなのか。製造元であるサクマ製菓のサイトに何らかの説明がされていないか確かめてみることしました。すると・・・。
新しいタイプの袋のデザインに添えて、
「ご好評につき、人気の2味で再登場!」
との極めてシンプルな見出し。発売日は「2018年9月」とあります。
それはともかく、筆者宅が惚れ込んだあの「クリームコーヒー味」入りの旧来品については、パッケージ画像や価格表示はおろか何のコメントもありません。同サイト内のどこを探しても、新商品と一緒に引き続き販売されているような様子もなし。要するに売り切れゴメンの廃盤品という扱いになってしまったのでしょうか?
アマゾンなど一部のオンラインショップでは、外袋のデザインは今までと同じものを残したまま、新しくなった2種類の個包装の写真が添えられるなど、新旧の説明が混在する紛らわしい表示になっているところも見受けられるので、当面の間はネットショップでクリームコーヒー味入りの旧来品を買い求めるときは慎重な姿勢で臨むのが得策かと思われます。
旧来品があれだけ美味しかったのだから、リニューアル品で「クリームコーヒー味」に代わって新たにお目見えした「ミルクコーヒー味」もきっと美味しく仕上がっていることと思います。でも、筆者としてはできることなら、「クリームコーヒー味」を含めた3種類のアソートタイプの飴として再々登場してくれればなあ・・・などとひそかに願っているところです。他のコーヒー飴では体験したことのないあのクリーミーな風味を、このまま幻の味として消し去ってしまうにはあまりにもったいないと思うので・・・。