暮らしなもん

衣・食・住で日々出会う品々とのおつきあい帳

エアコン臭の応急対策にマイナスイオン&オゾン活用型の空気清浄機を使ってみた話

お題「愛用しているもの」

通算10回目となる昨秋の引越しで旧居から持ち込んだ10年もののエアコン。新たな住まいへの取り付け直前に、これまで手の届かなかった背面側のホコリ汚れまで落とすことに成功したとは言え、今年の夏になって再びあの送風のニオイが気になってきました。

 

シーズンオフはともかく猛暑が続く使用期間中にたびたび行うのが面倒な「洗浄」ではなく、「消臭」に特化した有効な対策を求めて真剣に考えるようになった次第については以下の記事でご説明した通りです:

 

kuracinnamon.hateblo.jp

 

幸いにも、昨今の主なネットショッピングモールでは、近所のスーパーやドラッグストアなどには置いていないような業務用品を中心に実力派のエアコン消臭剤がいくつか見つかりました。ただ、フィルターやアルミフィンなどエアコン内部に直接吹き付けたり塗ったりするタイプの消臭・除菌剤を使うのもいいけどニオイの元をやっつける成分を四六時中放つものをエアコンのそばに置いて、室内の空気を循環させるという手段も有効なのではないか・・・?ということに気づきました。

 

   

 

集塵&除菌機能のある古参の空気清浄マシン

そこで、今更ながらのように思い出したのが、このエアコンと同じくらい前から我が家にあったこちらのアイテムの存在です。

 

我が家のエアコン臭対策に急遽駆り出されることになった、我が家のプラズマイオン空気清浄機。

 

グレー系の地味なカラーリングに、シンプルで控えめな印象の縦長・角型ボディ。名前は「 プラズマイオン空気清浄機【エアーイオンフレッシャー】」と、これまたどこにでもありそうな商品名が付いています。

 

我が家がこのマシンと出会ったのは2009年でしたが、2018年9月現在でもまだ販売されていますから、今時なかなか貴重なロングセラー商品と言えるのではないでしょうか。 

 

 

実はこの小型マシンを求める前、ごく普通のファン式&フィルター使用タイプのちょっとおしゃれな薄型の空気清浄機をTVショッピングで購入し数年ほど使っていました。当時は一家の住まいを閑静な郊外から交通量の多い市の中心部に移したばかりで、昼夜を問わず漂う排気ガス工場の煤煙のために窓を開けて風を通すことも叶わなくなった上に、サッシの隙間や換気扇などから入り込む隣室のタバコ臭、洗剤・柔軟剤の香料などその他もろもろの臭気にも悩まされるようになったことから、その対策として急遽導入したわけです。

 

しかしこの清浄機、実際にはTVショッピングの宣伝文句に反して期待したほどの脱臭・集塵効果が感じられなかったばかりか、ハイパワーに設定してもファンの騒音や振動が激しくなるだけ。不織布フィルターもほんの数カ月で真っ黒に汚れてすぐ交換が必要になるなど不経済な点も気になったので、遂に買い替えを決意。ネット上でいろいろ探した結果、ファンもモーターも使わず、フィルター交換も不要で、汚れたら洗って繰り返し使える集塵パネルを内蔵し、しかも比較的安価なこちらのマイナスイオン生成タイプに落ち着いたのでした。

 

我が家の「エアーイオンフレッシャー」の本体と電源アダプター

 

本体の寸法(約)は幅9cm×奥行15cm×高さ28cm設置面積も少なく場所を取らないので、床置きはもちろんパソコンの脇に置いたりしてもさほど邪魔にはなりません。重さは(約)580g程度と軽いので移動や持ち運びも楽です。

  

電源のオンオフスイッチ部分のアップ写真
本体背面側のルックス
電源のオンオフスイッチ部分のアップ写真と、本体背面から見た姿

 

操作部分はメカニカルボタン式の電源ON/OFFスイッチ一つだけというシンプルさもいいですね。正常に動いていればスイッチ右上にある緑色のランプ(POWER )が点灯します。通常の運転を妨げるほど集塵パネルに付着したホコリ汚れがひどくなった時とか、集塵モジュールそのものがきちんとセットされていなかった時、あるいは本体機能そのものに異常が生じた時には左上の赤色ランプ(CHECK)が点って知らせるようになっています。

 

運転音もかなり静かで、本体にぐっと近づけばシューもしくはジーといった囁くような音が聞こえる程度。離れていればほとんど無音に感じられるので、ちゃんと動いているか心配になることもある程です。(そういうときは正面の吹き出し口に手などをかざしてみて、微風が感じられれば正常に稼働中)

 

ちなみに、1台あたりの適用床面積は90平米(約28坪)  との目安が取扱説明書に記されています。消費電力は(約)1.5W、AC電源のコードの長さは(約)1.9mあります。

 

デザイン面での魅力とか細かな使い勝手の良さという点では、ほぼ同じ仕組みを採用している以下の有名機種のほうに軍配が上がると思われますが、狭小住宅ではたとえ1センチでも小ぶりなほうがありがたいし、浄化機能など基本的な実用面さえしっかりしていれば我が家にとっては充分なので、見た目に勝る他のモデルに乗り換えたいなどと思ったことは一度もありません。

 

 

空気浄化の仕組み

さて、慎ましやかなロングセラーとも言うべきこの小型の空気清浄機が大手家電メーカーから出ている一般的なつくりの製品に比べこれほどコンパクトにまとまっているのは、ファンやモーター、フィルターを使っていない・・・と言うか必要としないためだそうです。代わりに活躍するのは大量に生成されるマイナスイオンの微風。これに微量のオゾンを合わせることで汚れた空気を浄化し室内の空気を新鮮に保つという仕組みが採用されています。 

  

本体天面から集塵モジュールを取り出してみたところ。

本体天面から集塵モジュールを取り出してみたところ。

 

詳しい浄化のプロセスについては取扱説明書の中で丁寧に解説されていますが、ざっとまとめると以下のようになります。

  1. 大量のマイナスイオン(約200万個/CC)を発生させ、微風(電子風)と共に室内に拡散させる。
  2. 放出されたマイナスイオンが、ホコリやタバコの煙、臭気の元、カビ・花粉・雑菌等々のプラスに帯電した汚染物質に静電気の力でくっつき、マイナスに帯電させる
  3. マイナス帯電した汚染物質が、循環する空気の流れに乗って本体内蔵の集塵パネルに引き寄せられる。
  4. 集塵パネル内部で生成・調整された微量のオゾン(0.02ppm以下)が、汚染物質を酸化して酸素に変える

 

集塵モジュール(手前)と本体(奥)。

本体(奥)の天面から取り出した集塵モジュールの全容(手前)。集塵モジュールは、2枚の集塵パネルのほか、ノコギリ状の金属パーツから成るマイナスイオン発生器、そしてどのあたりか分からないけど内蔵されたオゾン生成装置などで構成されています。

 

理系の話にはめっぽう弱いので、汚染物質の分子とかマイナスイオンとかオゾンとか、ヒトの五感では捉えがたい存在を中心に展開されるこの空気清浄機のメカニズムについては、かれこれ9年も付き合っていながら未だにしっかりとは理解できておりません。

 

ただ、日々使っていて集塵機能や脱臭後の空気の清涼感は確かに実感できるので、素人には難解きわまりない理論にも何となく納得が行くような気がしています。

 

集塵パネルで確認できる、空気の汚れ具合

この手の空気清浄機がどれだけ汚れた空気をきれいにしてくれるのか確かめるのに一番簡単なのは、集塵パネルの汚れ具合を見ることです。今回ご参考までに、掃除機掛けや水洗いでホコリ汚れをきれいに落としたばかりの集塵パネルを2〜3日使用した後と、引き続き10日以上使った後での状態の違いを写真に撮ってみました。

 

まず、洗浄後2〜3日使用した後の集塵パネルがこちら。鏡面のような光沢のある2枚の金属板の内側に、わずかながら細かな黒い塵のようなものが付着しています。マイナスイオンの発生源である鋸歯状のパーツはまだ綺麗な状態です。

 

掃除・洗浄した集塵パネルを2−3日続けて使用した後の写真その1
同じ集塵パネルの後ろにある、鋸歯状のマイナスイオン発生器の表面。この時点ではまだ綺麗です。
掃除したばかりの集塵モジュール(集塵パネル+マイナスイオン発生器)を2−3日使用した後の状態。


この集塵モジュールをそのまま本体に戻し、引き続き使用して10日以上経った後の集塵パネルの写真がこちらになります。引き寄せた塵・ほこりが積み重なって縞模様ができています。パネル本来のつややかな光沢はほとんど隠れてしまいました。前回の写真ではほとんど汚れが見られなかった鋸歯状パーツにも点々と塵・ホコリの細かな粒が付着しています。

引き続き10日以上使い続けた後の集塵パネルの状態写真その1。
引き続き10日以上使い続けた後の集塵パネルの状態写真その2。
引き続き10日以上使い続けた後の集塵パネル。一面覆われた塵とホコリでプレートが曇っているように見えます。鋸歯状のパーツ部分にも至るところにほこりが付着しています。

 

我が家では購入以来ずっと同じ集塵モジュールを使い続けていますが、一部のネットショップではスペアも販売されています。長期間の使用で汚れが落ちにくくなったり、水洗い後乾くまでのつなぎとして使いたいご家庭に好評のようです。

 

 

唯一のデメリット? ニオイ消しが放つニオイ

室内外の嫌なニオイを塵ホコリと一緒に効率よく取り去り、そのあとに鼻孔や胸元がスーッとするような爽やかな空気を残してくれるこのマシンは、無香料アイテム好みの我が家にとっても正に申し分のない空気清浄機と言えます。

 

・・・がしかし、完璧と思われるこのマシンにも筆者から見ると一つだけ難点がありました。それは、除菌・消臭作用の助け手でもあり酸素生成の役割もあるというオゾンの臭いです。

 

塩素に似たにおい」とか「生臭い」とも表現され、人によって気になったり気にならなかったりする独特の臭い。ネット上では、本機を含め同じ仕組みを採用している空気清浄機のレビューにもこのニオイを短所として挙げるコメントがちらほら見受けられます。

 

とは言え、脱臭と集塵処理が一段落した後に残る、どこかさっぱりとした爽やかな空気の味わいには、マイナスイオンだけでなくこの微量のオゾンも貢献しているはずだからマシンの愛用者としてはあまり文句は言えないのですが、できることならオゾンの生成機能を止めてマイナスイオンの微風だけを起こすような使い方はできないものかと思うこともたびたびあります。

 

もっともこの空気清浄機の場合、オゾンの生成量は人体に無害とされる0.02ppm以下に抑えられているということもあり、長時間稼働させたからと言って家中臭くなって困るとか、壁やカーテンにしみ付くといったような心配はほとんど無く、また使うたびに必ずしも臭うわけではありません。臭いを感じたとしても気になるレベルではない時も多くあります。つまりその日その時でオゾン臭がしたりしなかったり、あるいはかすかに感じるだけだったりと、むらがあるのです。

 

こうした謎めいた現象について、メーカーの取扱説明書や販売店の紹介文などでは何も触れていません。ただ筆者宅において9年もの長きにわたり使い続けてきた経験から、オゾンの臭いが耐え難いほど気になる時というのは、その標的となる汚染物質が少ないとき、すなわちオゾンにとってはすることがなくて手持ち無沙汰な状態になっている時ではないか?と思うことがよくあります。

 

その根拠として、屋外の風向きの変化などのために急激に室内に流れ込んできた車の排気ガスや工場の煤煙、タバコの臭いなどまとまった量の汚染物質を相手に戦わせているときにはオゾン臭を感じないことが多く逆に清浄機を動かさなくても気持ちよく過ごせそうな時にあえて長く使い続けたりするとオゾン臭が鼻について不快に感じることが多いように思われます。

 

いずれにせよ、今年の夏、10年もののエアコンが発する送風のニオイへの新たな対処法を探している間にふと脳裏をよぎったのは、筆者が苦手としているこのオゾンの臭いとそれに伴う除菌作用が、頑固なエアコン臭を打ち消したりカビ菌の活動を弱める上で役に立つのではなかろうか?という考えでした。

  

エアコンの風に、マイナスイオン&オゾン風を当ててみた 

そんな訳で、ほぼ同じ時期に購入しずっと続けていながらこれまで一度も思いつかなかった、エアコンとマイナスイオン空気清浄機の直接対決を早速試してみることにしました。つまり、室内機の送風口から絶え間なく送り出される、エアコン臭やカビ・雑菌等を含む冷風に、マイナスイオン&オゾンの風を絶えずぶつけてみるという戦略です。

 

ここでまず清浄機を置く場所を適切に選ぶのが重要ではないかと思ったので、エアコン室内機の天面にある吸気口のそばに清浄機を据えてマイナスイオンやオゾンの群れを室内機に吸わせ、内部を通過させながら冷風と一緒に放出させるようにしたらどうかとも考えました。イメージとしてはこれに近い感じです:

 

 

しかし実際のところ天井近くの壁に清浄機を置けるような棚があるわけでもなく、またあったとしてそんな高い所に小ぶりとは言え電気製品を載せて使うのは危ないとの考えからあっさり却下。

 

別に無理して吸気口のそばに置くことを目指さなくても、エアコンの風で室内の空気は循環させられるわけですから、あまり深く考えずごく単純にエアコンの送風口のほぼ真下にある机の上(本記事トップの写真参照)に置き、しばらくの間稼働させて様子を見ることにしました。

 

初めの30分〜40分くらいまではエアコン臭の方が優勢でしたが、1〜2時間くらい過ぎたあたりから、少しずつ臭いの軽減が感じられるようになり、5〜6時間後にはほとんど気にならない程度にまで改善されていました。

 

筆者にとって苦手なオゾン臭はどうだったかというと、不快に思うほどには残らなかったばかりか、例の鼻孔の奥にも肺にもスーッと通るような清涼感のほうが強く感じられたのには驚きました。目には見えませんが、エアコンの臭いの元や雑菌の群れとかなり頑張って戦ってくれたのではないかと推測しています。

 

まとめと補足

そうと分かって以降、エアコンの運転中には必ずこのマイナスイオン空気清浄機も間近で稼働させるようになりました。

 

ただ、こうした対処法を何日も続けることでエアコンの送風の臭いが完全に無くなるわけではなく、今でも運転開始時などは特に多少例の酸っぱい臭いがすることがあります。結局応急手当てのようなもので、エアコン室内機内部の掃除の代わりにはならないようですね。

 

エアコンの「内部クリーン運転」の使用は失敗

そこで今回、除湿や冷房で運転させた後の室内機の内部を乾かすことでカビや臭いの発生を防ぐ方法としてよく勧められる、エアコン停止後の「内部クリーン機能」も何年ぶりかで試してみました。

 

これで室内機の内側が少しでもキレイになるかもなどと期待していたところが、結果的には空気清浄機だけで対処としていた時よりもかえって酸っぱい臭いが強くなってしまってガッカリ。要するに、アルミフィンの奥など手の届かないところにはまだまだカビ汚れが居座っているのでしょう。隅々まできちんと掃除をした上で、普段からマメに内部クリーン機能を使っていればそんな臭いはしないでしょうが、我が家のように臭いが気になるようになってきた段階で内部クリーン運転をしてもかえって逆効果になる場合もあるようです。

 

もっともこの機能を使うと途中で強制的に弱暖房運転が行われ、せっかく下げた室温が再び上がってしまうというデメリットもあるし、暑さが続く時期は停止させるヒマもなくタイミングの判断が難しいという事情もあることから、今は内部クリーン機能は使わず、マイナスイオンとオゾンの力を借りてエアコン臭の悪化を抑えるだけにとどめています。

 

もう少し先でこの暑さが和らぎ、エアコンを使う必要がなくなった頃には、またしっかり掃除をしてカビ汚れを落とし、内部クリーン運転をした上で休ませようと考えているところです。