ウチのお彼岸の恒例行事、おはぎ作りに想う
あれほど暑かった今年の夏も、秋分の日が近づくに連れてようやく涼しい風を感じる時間が多くなってきました。『暑さ寒さも彼岸まで』とはよく言ったものだと今更ながら感心します。
さて、お彼岸と言えば、我が家ではおはぎ作りが恒例となっております。厳密には秋分の日に供えるものはおはぎ、春分の日に作るものはぼたもちと呼ぶようですが我が家では特に区別はしていません。
春・秋のお彼岸のほか、お盆にも作るので一年のうち最低でも3日は「おはぎ」の日となります。筋金入りの甘党でもあるウチの母の意向から、どういう訳かその日の昼食と夕食のメニューは自ずとおはぎが主役になるのも我が家の慣例となっています。
小豆は近所のスーパーかドラッグストアで特売の値札が付くような、ごく普通の袋入りの乾燥豆タイプ。中身のご飯も、餅米などは使わず普段食べている白米で炊くという、まさに節約志向のシンプルなおはぎです。
餡もご飯も、かれこれ15年の長い付き合いになるこちらの3リットル容量の圧力鍋を使います。小豆なら約8分、ご飯なら約5分で炊けるからとってもスピーディ。
母の両親、すなわち筆者の祖父母もまた無類の甘党で、特に小豆あん入りの和菓子には目がないタチでした。母が幼かった当時は三世帯同居の大家族だったこともあって、お彼岸やお盆にはもちろんお祝いごととなると祖母が小豆あんをふんだんに使った、上の写真の3倍はゆうに超えるくらいの巨大なおはぎやまんじゅうを大量にこしらえるのが常だったとか。
その傾向をきょうだいの誰にもまして素直に受け継ぎ、シニア世代に突入した今も変わらずこの季節のおはぎ作りを楽しみにしている母。今回も朝食や皿洗いを終えてまだ間もない時間からいそいそと中身のご飯をはじめ、おはぎに添える簡単なお吸い物や酢の物などの下ごしらえを進めます。
自然と弾んでくる彼女の昔話に耳を傾ける一方で、そう言えば筆者が高校生の頃、一家で帰省した日の夕食に祖母がふるまってくれた味噌汁に砂糖がたっぷり入っていたことを後で知って母でさえびっくりしたこともあったとか、でもあの味噌汁、見た目はやたらこってりしてて変だとは思ったけど別段まずいとも感じなかったのはやはり血のなせるわざだろうか・・・などと筆者自身も回想にふけりながら、前日に母が作り置きして冷蔵庫で一晩寝かせておいた粒あんを小分けにしたり、炊きあがったばかりの熱々のご飯をすりこぎで搗く作業を手伝いました。
そのようにして出来上がった今回のおはぎがこちら。スーパーの菓子パン売り場でよく見る品よりはちょっと大きめで、惣菜コーナーに並んでいるものよりはやや小ぶりかな?といった感じのボリューム感です。
このうち少しだけ小皿に取り分け、ラップを被せて隣室のミニ祭壇へ。ロウソクとお線香をあげておりんを鳴らし、ひととき静かに故人を偲ぶ・・・というのが、我が家のいつもながらのお供えのスタイルとなっております。
ちなみに、我が家で長く愛用しているお線香はこちらになります。狭小の集合住宅にもうれしい無煙タイプで、呼吸器系が弱い体質の筆者でも不思議とむせたりクシャミで困ったりする心配のない、控えめで清涼感のある香りも気に入っています。