トイカメラとの付き合い方
もう7~8年前にもなるでしょうか、かつてウチの父がネットオークションにてわずか数百円という破格の値段で手に入れた「薄型スライド式デジカメ FINESHOT(ファインショット)」。(2017年現在は既に廃盤になっていると思われます)
全30色から選べるきれいなボディカラーをまとった薄型・軽量設計に、高解像度画像でも最大50枚以上撮影できる容量の多さと、動画撮影機能もあるなどなかなかの多機能性を示す触れ込みに惹かれて即決したらしいのですが、コレが全くのトイカメラでした。
実物を手にとってよくよく見ると、軽くてコンパクトなのはよしとしてやはり安いだけにいろいろとアラが・・・。
- 背面液晶ファインダーなし
- ズーム無し
- フラッシュ機能なし
- 接写不可
- 露出補正、ホワイトバランス等の調整不可
- ファインダーは上端中央にあるが、レンズは左端(向かって右端寄り)
以前使っていた充電池式の本格デジカメに比べれば、本体が驚くほど軽いのと単4乾電池2本で動く手軽さ、操作のカンタンさはまずまず。
しかし何と言っても最大でも30万画素程度という画質の粗さに加え、ファインダーとレンズの位置が大幅にズレていることによるアングルの決め方の難しさには閉口させられました・・・。
おまけに何度か使っている間に、レンズとそれを覆う透明樹脂との間にいつのまにか小さなゴミらしきものが入り込んでからは、撮った写真すべての一角に小さな曇りというか濁りのような汚点が写り込む始末。
幾度となく"廃棄"も考えましたが、仕事や家族の依頼などで是が非でも使う必要に迫られたことから自力で分解・清掃に挑んでみたところ、ゴミの写り込みはウソのように消えて無くなったのでまたしばらく使ってみることにしたのです。
ただ、フラッシュが無いので暗い場所、曇天の日中や蛍光灯だけの夜の室内などではきちんと撮れるか心配でした。でも、実際は明るすぎず暗すぎずの室内で撮影したのであれば、実物の色に近い仕上がりが得られることが多かったので一安心。
確かに画質は粗めで細部はかなりザラついた印象になります。気になる場合は画像編集ソフトで調整すればなんとか人前に出せるレベル(?)にすることも可能です。
下の写真は当ブログのアシスタントなるぬいぐるみをモデルに、昼光色の電球の下で撮ったもの。そのままでは布地の柄などの粗さや暗さが目について実物よりちょっとトゲトゲしい雰囲気です。
ここでレタッチソフトの登場。世間ではアドビ社製に比べややマイナーな存在ではありますが私のお気に入りであり長年の相棒でもある「Corel Paint Shop ProX」(=Ver.10)を使用し、自動ノイズ除去や明るさ補正機能をちょこちょこいじって手直ししてみました。
こうすることで、ハイクラスなデジカメで得られる"高精細"な写真とは一味違う、ちょっとアートな、あるいは幻想的な味わいを楽しめることも。なのでトイカメラはトイカメラなりに使い道もあろうかと、未だに捨てがたく思っているわけです・・・。
ただ、今どきのトイカメラは小さなお子さん向けモデルでも本機よりはるかに高機能でおしゃれなデザインのものが出回っており、ちょっぴりうらやましい・・・。
ところで、低画質のトイカメラ画像のアラを目立たなくする際に筆者が愛用している画像編集ソフト「Corel Paint Shop Pro」については、2018年2月現在でこちらの最新バージョン(PaintShop Pro 2018)が販売されています:
このソフトは一般に"写真編集専用"のように受け止められているところがありますが、写真やラスタ画像の扱いだけでなくベクタ画像の描画やレイヤー編集、各種特殊効果の適用なども可能で、アドビ製のPhotoshopに負けないくらいの機能と使いやすさ、そしてお値段の手ごろさなども気に入っています。
(筆者は現在のコーレル社による買収よりはるか前、Jasc Software製として販売されていたVer.6から愛用してきました)
なお、筆者が現在使用中のバージョンは約12年前に入手したもの(コーレル社による買収後初めてリリースされたVer.10)であり、最新版での機能名などは大きく変わっている場合もありますのであらかじめご了承ください。